見上げた空はこんなにも美しいのに。
風になびく蒼い葉はこんなにも凛としているのに。
どうして、僕だけがこんなにも醜い感情を
抱かなくてはならないのだろう。


-01-





熱い真夏の訪れと共に
今年も、彼らの生活は始まった。



入学式を終えてすぐ。
グリフィンドールの談話室では毎年
新入生を迎える小さなパーティーを開いている。


そこで出される食べ物は主に、
入学式の際に出された食事をくすねてきたり、
ハニーデゥークスで買いだめしておいたもの、
新学期が始まる前に買って来たお土産などといった
ごく普通の食べ物だった。









新入生や、進級を無事に済ませた先輩が
ごった返す中で
ハリーは一人その中から外れて
(ハーマイオニーとロンはちょっと良い雰囲気なので近寄りにくい。)
壁際に寄りかかって冷えた南瓜ジュースを飲んでいた。


そんな風景を今年も見て、ハリーは何となく穏やかな気分になる。






やがてその騒ぎも一段楽し、
新入生は監督生になったハーマイオニーにつれられて
寮の方へとぞろぞろと移動し始め、
その他のグリフィンドール生は
個々の部屋へと戻っていった。




途中、
同室のロンやネビルに
一緒に部屋に帰ろう、と誘われたが
ハリーはまだ此処に残っていたい、と応え
結果、今は一人で談話室のソファに座っている。








窓から入り込む光が心地良い。




ふと、男子寮に続く階段から
一人の少年が降りてきた。




その少年はハリーの姿を見つけると、
やんわりと微笑んで歩み寄った。

ハリーも微笑み返して自分の前のソファ
に座るように促しす。




「やぁ、ハリー。
 今年も元気そうで何よりだ。」

「君こそ。元気そうで何よりだよ。タクヤ。」

楽しそうに、ハリーは応え、
そしてタクヤも嬉しそうに微笑んだ。











ハリーの目の前に座った少年、タクヤは
ハリーと同学年で、魔法薬の授業でペアを組んでから
何となく仲良くなったのだ。






黒に近いブラウンの髪の毛で、
ハリーのような癖は無く、さらりとしている。
瞳はハーマイオニーと同じような茶色。






ルックスはなかなかで、
寮を問わず人気が有った。












「タクヤ、ハリー。」








不意に掛けられた声。
ハリーが振り返ると、
其処には同じ学年のが立っていた。




「楽しそうね。」







はにこり、と微笑んで
タクヤの隣に座る。









2人は、お互いを見ると
照れるように微笑みあった。


ハリーは何だか居辛くなって目をそらす。











「タクヤ、。僕、そろそろ部屋に戻るよ。
 ロンが待ってるし。」
「そうか、じゃ、またな。」
「・・・うん。」




ハリーは
にこやかに手を振る
タクヤに見送られて、半ば、逃げるように其処から立ち去った。






胸のあたりが、ジクジクと痛んだ。






















タクヤとが付き合い始めたのはつい最近。





タクヤがずっとアタックしていたのを、
が受け入れたのだ。






其れからは
ずっと2人は幸せそうで。








その2人を見る度に、ハリーは逃げるようにその場から
離れていた。



















ハリーはが好きだった。





・・・。」





名前を口にするだけで、胸が締め付けられる。

ただ、苦しいだけだった。