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温かい日差しが良く入る談話室。
寮カラーが暖色系な事もあってか、
少し冷え始めた最近ではとても過ごしやすい。


そして目の前にあるのは美味しそうなお菓子。
バタークッキーや、チョコクッキー。





其のうちの一つを口に運ぶと、
さくっといい音がして心地良い甘味が口いっぱいに広がった。



「本当にお菓子作るの上手いよね、アンナちゃん。
 私はお菓子なんか作れないもの。ちっとも女の子らしくないよね。」
「そんな、先輩――。私は先輩の入れる紅茶、美味しくて好きですよ?」
「そう?有難う」



は頬を緩めるとチョコチップクッキーを一枚、
口に運んだ。
目の前にいる少女は、
小さくてころころしていてとても可愛らしい。



お菓子作りだって上手いし、
女の自分が見ても可愛いと思えるその容姿。
守ってあげたくなる。
本当にほほえましい。
それに比べて自分は。料理は全く出来ないし、
かといってその他が良いのか、といわれれば何も無い。
容姿だって綺麗でもないし、可愛いという造りでもない。
どこにでもいるような人間。




「・・・・はぁ・・・。」



無意識に溜息がこぼれた。



先輩、なにかあったんですか?」
「ん?」



溜息とともに少し俯いた為か、顔を上げるとアンナの心配そうな顔が
顔のすぐ前にあった。
はそんな可愛い仕草に思わず微笑を零すと




「本当に可愛いんだから。アンナちゃん。
 悪い虫がつかないか、私は心配だよ」





アンナの頭を撫でながら呟く、
アンナはその言葉に顔を赤くして、えへへ、と笑った。
そして軽く咳払いすると、
紅茶の入ったティーカップを両手で抱え込むように持ち
に笑いかける。



「実は・・・先輩。私、彼氏が出来たんです」
「え、本当に?」
「あの・・・ハリーです。」




そう告げるとアンナは内緒ですよ、
と人差し指で制してから、に向って小さく呟いた。



「そう、アンナちゃんをちゃんと守ってくれそう!
 良かったね、アンナちゃん」
「はい!」


は嬉しそうに頬を緩ませ、アンナに微笑みかけた。
そしてクッキーを一枚口に運んで紅茶を飲むと
腕時計に視線をやる。
途端には席を立った。


「いっけない!この後マクゴナガル先生に呼ばれてたんだ」
「えっ、先輩!片付けは私がしますから、
 早く行かないと・・・マクゴナガル先生は時間に厳しいですから・・・」

真青になったにアンナも同じように立ち上がると
マクゴナガル先生の所に行くように促す。
はそんなアンナにすまなそうに笑いかけると



「そう?後片付け任せちゃうんだけど・・ごめんね?じゃぁ、また・・・」


と言い、談話室から大急ぎで走りだした。
アンナはその様子を苦笑いしながら見つめると、
ストン、と椅子に腰掛けた。


そしてクッキーを一枚かじる。さくっといい音がした。


先輩は・・・いい人なのに・・」

アンナは顔を微かに歪ませる。
小さく呟いた其の言葉は、誰もいない談話室に小さく響いた。