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空を自由に飛びまわる、彼に恋をしたのは確かだ。
まるで空の住人のようなその華麗な姿は、飛行を苦手とする私にとって
とても衝撃だったのと同時に酷く感動した。
そして大人びた物腰や愁いを帯びた瞳に、気が付けば恋をしていた。
彼を思えば自然と頬が緩み、クディッチの試合で彼が空を飛べば
自分の寮なんか気にせずひたとその人だけを見つめて胸を焦した。
そして同時に、図書室に通う度、日当たりのいい席で勉強に励むあの人の姿も気になっていた。
太陽の光はその人のブラウンの髪に吸い込まれるようで、その人の周りは只管に暖か気だった。
図書室に行けば必ずその人がいて、そして光にあふれている。
時々眠たそうに目をこする姿だとか本棚の前で沢山ある書物を探す横顔だとか。
その人の姿を目にすると胸が苦しくなって顔が赤くなって息苦しくなって。
気づけば私は彼の人に声をかけていた。
恋をするのは楽しい事だった。
大好きだったのに私は二人を好きになってしまった。
同じ位、比べられないほど二人が大好きだった。
同時に、大好きな先輩の恋人である事も知っていた。だけど、
全てはあの日、図書室で狂ってしまったんだろうか。
ただ会話が出来るだけで、傍に居られるだけでよかったのに
不意に重なった唇に私の心は舞い上がって、小さな罪悪感は吹き飛んでしまって
ばれなければ良い、好きな人を手に入れられる幸せをかみ締めていたい、
そんな風に決断してしまった私は最低な、人間だ。
ハリーも、タクヤも、先輩も大好き。
大切な人。ただ、その感情が違っただけで。恋と、親愛と。
手に入れてしまった幸せを簡単に手放せるほど、私は大人ではなかった。
「ダンスパーティーは、君と行きたい」
舞い上がって、喜んでしまった私は本当に、最低な人間だ
先のことなんか、先輩の事なんか考えていなかった
私は、あまりにも幼すぎたんだと思う。